2009.03.07
アラスカ北極圏・サバイバル・ツアー報告<前半>

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誰か行いの悪い人でもいたのだろうか?
(ごめんなさい、そんなことはないですよね!)

皮肉にも、JALチャーター機ご一行様がお帰りになった瞬間から、
この時を待っていたかのように、フェアバンクスの空は360度完璧に晴れ渡っている。
そして本来あるべき気温まで冷え込んできたようだ。日中でありながらマイナス20℃は下回っているよう。

これからの行程は、以前、私のブログで「究極のサバイバルツアー」として紹介している、
私の取材に同行を希望する人と一緒の旅になる。
北極圏や私の取材に興味がある方が対象になるというわけだ。

私のサバイバルにおつき合いくださる一人目の方(ツアーの前半)は、アンカレジ在住のWさん、
二人目(後半)は、大学でオーロラを研究されているYさんが決まっていた。


 

出発を前に、先ずはMyガソリンタンクを雪の中から掘り出すことから始まった。
フェアバンクスにて、日本人のカズミさんご夫婦が経営しているB&Bの庭に預けてあるのだ。

Townsite Gardens Bed and Breakfast
清潔感あふれた、こじゃれたB&Bである。

Wさんと合流し、物資供給や荷物の積み込みを済ませ、午後1時にフェアバンクスを出発する。

快晴の中、北極圏ヘ向かって、ひたすら北上する。

2時間走って、はじめてDalton Highwayに突入するが、ここからは道がカーブが多く、道幅が狭く、走りにくい。





Dalton Highwayは北極海一歩手前のDeadhorseまで、およそ800km程もあるが、その間、いろんな景色が楽しめる。
この場所は決まって毎年「樹氷地帯」になっている。





「オーマイガッド!」

もはや脱出不能である。助けてくれるトレーラーを待つのみ・・・・






すっかり暗くなった頃、やっと北緯66度33分、北極圏に到達した。
しかし、目的地はまだまだである。





Photo by ニャンタローさん


Dalton Highway唯一の給油ポイント・Coldfootで、再び燃料をしっかり満タン。
さらに北へ向かう。
本日の撮影ポイントにやっと到着。石油のパイプラインの下に陣取ることにした。
星空ではあるが、オーロラはまだである。戦の前に食事を作ろう。

気温はおよそマイナス35℃、無風であるため何とか頑張れる環境である。





Wさんが作ってきてくれたサーモン鍋を暖めようとするが、彼が用意してくれたガスコンロは寒すぎて無力であった。
私のMSR(登山用調理ストーブ)は何とか頑張っている。
そうこうしているうちに、定位置である北東の星空にぼんやりオーロラが見えてきた。
たらふくサーモン鍋をいただいたおかげで、寒さの中に跳び出して行ける元気がでた。








パイプラインをからませるとユニークな写真が撮れる。

はじめ弱々しかった神秘の光は、徐々にたてに線が見えるようになってきた。
こうなると撮影もギアチェンジがかかる。
あっちの空、こっちの空でダンスを始める可能性が高くなってくるからだ。

ここはすでに北極圏である。北緯67度であろうか。
フェアバンクスにいるよりは、頭上にオーロラが展開する機会が多いような気がする。

・・・・・・

運転席で目が覚める。引き続き好天である。と言うより、曇るような気がしない。





100年前は金鉱で栄えていた?Wisemanで。



さらに北上し、ブルックス山脈に本格的に進入する。





森林限界を超えた。峠は近い。




Photo by ニャンタローさん




Photo by ニャンタローさん






石油パイプラインとダルトンハイウェイ




ディナーはゴッツイ牛肉のステーキである。
これで極寒の徹夜作業を乗り切るのだ。




ブルックス山脈のど真ん中でオーロラを待つ。








月明かりの中、早い時間からオーロラ登場。

北緯68度、ここはいきなり頭上にオーロラが現われることも少なくない。






頭上に見事なオーロラのアーチが架かる。

「いま、オーロラの真下にいる!」







徐々に輝きを強める。
アーチは明るい月明かりと絡み合い、刻一刻とその形を変えている。






南側に振れたオーロラは、一気に動き出し、線構造が見えてきた。
こうなると、お祭りの始まりである。










お祭りの一コマ。このお祭りを見るためにここまでやってきたのだ。

この夜、数千枚のオーロラの撮影が出来た。

新しいカメラによる撮影は、以前よりも短時間でシャープな映像である。
今後のスライショーの映像は今までとは次元の違う「リアルさ」を追求できるはずだ。






Photo by ニャンタローさん


2夜連続で素晴らしいオーロラと出逢う。

先ずは明るいうちに腹ごしらえである。
十八番のスープカリーをつくる。



Photo by ニャンタローさん

それにしても好天が続く。
今夜もきっとそうだろう。






ブルックス山脈を北に抜け、天候が良いので、北極海一歩手前のデッドホースに向かう。



私は何度もここに来ているが、こんなに好天に恵まれたのははじめてである。







Photo by ニャンタローさん

日没前、デッドホースに到着する。




Photo by ニャンタローさん

何をしてる?・・・・接写中。







サンセット直前は、太陽は見る見る形を変化させた。自然が創り出す見事な「美」







晴れているので、放射冷却現象が起きている。
とにかく寒い、というか、痛い。

ブルックスへ戻ろう。










ブルックス山脈が見えるところまで、引き返して来た。
いつもは風が強いところで、今まで撮影に成功した事は一度もなかった場所である。

月明かりが日に日に明るくなってきた。

今夜はどうかなあ・・・?








この夜、胸を踊らせるような見せ場はなかった。
しかし、念願のブルックス山脈に落ちていくオーロラを見ることが出来た。

いや、ここにいること自体が素晴らしいのだ。





Photo by ニャンタローさん


またしても運転席で目を覚ます。
なんてことだろう。あの好天から、嵐のような風が地面を吹き荒れていた。

カメラを出しっぱなしであった。

それを片づけようとした瞬間、2台のカメラが、重たい三脚ごと風に飛ばされた!

ブリザードである。




Photo by ニャンタローさん


ただでは引き返さない。ブリザードを撮るのだ。
と言っても、本格的になれば、外で撮影なんて論外である。






新たに雪が降っているわけではなく、地吹雪だけで、こんなに吹きだまりが出来ている。






Photo by ニャンタローさん


おまけにワイパーも飛んでしまった。







ツンドラの大地で「飛んだ」カメラの一台は、あっけなく見事にクラッシュした。
レンズも脱却できず、ここまできて、大ピンチである。







とにかく引き返さなくては。
どこに道があるのだろう。吹きだまりで、運転に緊張を強いられる。





Photo by ニャンタローさん


白一色の世界であったが、一瞬明るくなる。美しい・・・







キタキツネの親戚のレッドフォックス。
さすがにキツネさんも寒いのだ。
この立派な襟巻き尻尾はだてに着いているのではなく、自分を暖めるためについているのか?








天候の悪いブルックスはあきらめて、どんどん南へ進む。しかし、ブリザードは収まらない。






これでは食事も作れないし、オーロラも見ることは出来ないだろう。
南へ、進めるだけ進もう!

ブルックス山脈の峠(Atigun Pass)を超えたところで、何と!
100メートル先に、今まで一頭も見かけなかったカリブーが大群になっているではないか!





感動でドキドキしながら、そ〜っと三脚をセットし、望遠をつける。
うっ、その私の行動を見ていた数頭が、私の不審な行動に反応してしまったのだ。
そうすると、皆一斉に逃げ出した〜!






少し走っただけで、またみんな食事をしているようだ。彼らは雪の下の草やコケを食べているのだ。
総勢、300〜500頭はいるよう。こんな大群を見るのははじめてだが、星野道夫氏の世界を思い浮かべてしまう。
非常に警戒心が強い彼らに近づくのは、じっくり、ゆっくりと、本腰を入れないとなかなか近づけないし、まともな写真は撮れない。
星野さんの苦労を垣間見た気がした。






ここ北極圏はまだまだ春は遠い。彼らは南の方向へ移動中だったのだ。
ちゃんと皆並んで歩いているのだ!






雪も降っているし、辺りは日が暮れてすっかり暗くなってきた。


暗くても、寒くても、雪が降っても、風が吹いても、彼らは厳しい自然の中にたくましく生きている。

感動。

いつか、もっと近くで、彼らの足音を聞いてみたい。


ミクシー会員の方は、「ニャンタロー」さんの日記をのぞいてみては?
私のブログと違って、とてもマメですし、楽しいですよ。

協力:SIGMA 株式会社シグマ

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