1日目(2月13日)
2010年2月13日午前、フェアバンクス空港。
アラスカの空港とは思えないほど、日本人でごった返している。
すべてオーロラを見に来た観光客である。
私はJALパック「中垣哲也と行くオーロラツアー」のお客さんを空港に見送った。
たった4日間ではあったが、22名のすてきな人たちとオーロラを求めることが出来て充実していた。
実は・・・
これからが自分の取材の本番が始まるのである。
私なりにこの旅のことを「サバイバルツアー」と名付けて、「普通のオーロラツアーでは満足出来ない」限定一名を同行して、アラスカ北極圏へ共に旅をしている。
昨年の2〜3月は二人の希望者とサバイバルツアーを敢行したが、二人とも「北極圏で実に見事なオーロラ」を体験された。
今回は北海道大学で環境教育に関わられているRさんと一緒にサバイバルすることになり、北極圏へ出発する前日にフェアバンクスで合流した。
サバイバルツアーのため、今回レンタルした4WDは、フォード社の最上級SUVである。
大きくて快適、一般に高級車ほどトラブルは少ないのだ。
といっても、野郎二人の8日分の荷物を積み込んだ車内は広いとは言えない。
スーパーに行って食材を買い出し、予備燃料の準備も完了。
午後になってからフェアバンクスをあとにし、北上を開始した。
2時間北上したところで、やっとダルトンハイウェイが始まる。
ダルトンハイウェイとは、北極海の一歩手前のデッドホースまで通じており、この厳しい環境でなんと通年走行可能の究極のアドベンチャーロードである。
出発した時間が遅いので、今日中には北極圏へは到達できないだろう。
先は長いのだから、無理をすることもないし、そこまで行かなくても撮影に良い場所がある。
今夜の目標は、ユーコン川の手前の「樹氷地帯」である。いつ行っても風があり、木々は樹氷状態になっている。要するにあまり天候は期待できないポイントである。
フェアバンクスから4時間も走っただろうか。
今回もやはり見事な樹氷地帯になっていた。

モンスターに囲まれて撮影。夜だと、みな生き物に感じる。
フェアバンクスに居た時より明らかに気温が低く、風もある。これ以上条件が厳しいと戦意喪失ラインに達してしまう。

弱いながらもオーロラが見えだした。

見せ場到来。風は止まず。

月明かりがあればもっとおもしろい写真が撮れた。
それにしてもRさんは、ツアー初日で、まあまあのオーロラを体験される。
幸先がよいスタートを切った。

うっかり・・・運転席で朝を迎えてしまった。さあ、北へ進もう。
2日目(2月14日)いよいよ北極圏へ。
フェアバンクスを出発してから、日中は雲が多いが、特に荒れる感じでもなかった。
大河・ユーコン川を渡り、重要基点であるコールドフットを目指す。

ムース(ヘラジカ)。この旅では、どれだけの野生動物に逢えるだろうか。

コールドフットはダルトンハイウェイのほぼ中間点、道中唯一給油出来るポイントである。
北極海の油田基地を往来するトレーラーたちの休憩所でもあり、一応レストランとホテルもある。冬期間はこれらの施設に関わる人たちのみが暮らしているような小さな集落である。私もここで給油出来るので、このような旅が出来るわけだ。
コールドフットで必ず燃料を満タンにする。ここから先、給油出来るのは400km先のデッドホースまでない。
極北の夕日に染まった雲のすき間から、今夜のオーロラの舞台である透き通った空が見えてきた。
コールドフットから1時間も北上すると、ハイウェイの両脇に荒々しい岩山が姿を現してくる。そこが北米大陸有数の巨大山脈の始まりであることを知らされる。
「ブルックス山脈」
大陸最北端にそびえる大きな壁である。
そして、私が好む撮影風景が、ここから100km北までびっしり存在する。
今夜の撮影場所は、いかにもアラスカ北極圏らしい景色の中、静かな氷の上で三脚を立てた。

思いがけず、早い時間からオーロラが活発にあらわれる。
「今夜は当たり日だ!」
期待が高まる。

フェアバンクスではオーロラを遠巻きに眺めていたが、ブルックス山脈に来て、久々に天頂でダイナミックなダンスを見ることに興奮する。
氷が厚く張っているのはわかるが、最初は割れないかと、やはり心配である。
うまくオーロラが氷に映ってくれるといいのだが。

やはり「当たり日」だった。朝が来るまでオーロラはほぼ絶え間なくアクティブな舞いを見せてくれた。
当然ながら、一夜で多くのダンスシーンを撮影でき、新しく動画を作るのが楽しみである。
Rさんも初日から2連勝である。Lucky Manだ。
3日目(2月15日)さらに北上。
凍った川の上に三脚を立てることにする。
オーロラは活発な日が2〜3日続く傾向がある。
もし今夜も豪華なオーロラが現れればどのように撮影をするか、明るいうちに想定し場所を決めておく。

こんな静かなリンクでスケートができれば気持ちいいだろう。
暗くなってから、早々にオーロラが現れてくる。
・・・ここブルックス山脈にいると、北の地平線からやってくるのではなく、いきなり頭の上にアーチがかかることも多い。空を360度監視していないと、油断は出来ない。
氷の川の上に三脚を2本立ててスタンバイする。

早い時間から、かなりアクティブである!
予想通り、昨夜に引き続き当たり日になりそうだ。
何となく、オーロラの不穏な動きも見られる。

ついに、ブレークアップか!

一瞬期待したが、惜しくもフェイントで終わる。


不穏な動きが続く。
というか、見事な縦の筋(線構造)が見える。
次から次とやってくる見事なオーロラを思わず不穏と言ってしまうが、
私の経験では「その時」が来る前兆は、何となく不穏な動きをしているように思う。

もう見事としか言いようがない!
オーロラが南側に振れる。危ない!

「怪しい!」と思った瞬間だった。
一気にブレークアップが始まる。
「始まる!」と感じた瞬間から一気に「クライマックス!!」まで、30秒はないだろう。
空のどこかにたまったエネルギーは一気に放出される。

ブレークアップは魚眼レンズでないと撮影出来ない。大慌てで、2台のカメラの設定を
調整する。
ブレークアップはいいところ30秒間が見せ場となる。始まってからもたもたしていると終わってしまうのだ。

全天でのたうちまわるオーロラの下で、Rさんは3夜連続豪華なオーロラに見舞われる、Super Lucky Manである。
私はしばらく放心状態になった。
<後編に続く>
2010年2月13日午前、フェアバンクス空港。
アラスカの空港とは思えないほど、日本人でごった返している。
すべてオーロラを見に来た観光客である。
私はJALパック「中垣哲也と行くオーロラツアー」のお客さんを空港に見送った。
たった4日間ではあったが、22名のすてきな人たちとオーロラを求めることが出来て充実していた。
実は・・・
これからが自分の取材の本番が始まるのである。
私なりにこの旅のことを「サバイバルツアー」と名付けて、「普通のオーロラツアーでは満足出来ない」限定一名を同行して、アラスカ北極圏へ共に旅をしている。
昨年の2〜3月は二人の希望者とサバイバルツアーを敢行したが、二人とも「北極圏で実に見事なオーロラ」を体験された。
今回は北海道大学で環境教育に関わられているRさんと一緒にサバイバルすることになり、北極圏へ出発する前日にフェアバンクスで合流した。
サバイバルツアーのため、今回レンタルした4WDは、フォード社の最上級SUVである。
大きくて快適、一般に高級車ほどトラブルは少ないのだ。
といっても、野郎二人の8日分の荷物を積み込んだ車内は広いとは言えない。
スーパーに行って食材を買い出し、予備燃料の準備も完了。
午後になってからフェアバンクスをあとにし、北上を開始した。
2時間北上したところで、やっとダルトンハイウェイが始まる。
ダルトンハイウェイとは、北極海の一歩手前のデッドホースまで通じており、この厳しい環境でなんと通年走行可能の究極のアドベンチャーロードである。
出発した時間が遅いので、今日中には北極圏へは到達できないだろう。
先は長いのだから、無理をすることもないし、そこまで行かなくても撮影に良い場所がある。
今夜の目標は、ユーコン川の手前の「樹氷地帯」である。いつ行っても風があり、木々は樹氷状態になっている。要するにあまり天候は期待できないポイントである。
フェアバンクスから4時間も走っただろうか。
今回もやはり見事な樹氷地帯になっていた。

モンスターに囲まれて撮影。夜だと、みな生き物に感じる。
フェアバンクスに居た時より明らかに気温が低く、風もある。これ以上条件が厳しいと戦意喪失ラインに達してしまう。

弱いながらもオーロラが見えだした。

見せ場到来。風は止まず。

月明かりがあればもっとおもしろい写真が撮れた。
それにしてもRさんは、ツアー初日で、まあまあのオーロラを体験される。
幸先がよいスタートを切った。

うっかり・・・運転席で朝を迎えてしまった。さあ、北へ進もう。
2日目(2月14日)いよいよ北極圏へ。
フェアバンクスを出発してから、日中は雲が多いが、特に荒れる感じでもなかった。
大河・ユーコン川を渡り、重要基点であるコールドフットを目指す。

ムース(ヘラジカ)。この旅では、どれだけの野生動物に逢えるだろうか。
コールドフットはダルトンハイウェイのほぼ中間点、道中唯一給油出来るポイントである。
北極海の油田基地を往来するトレーラーたちの休憩所でもあり、一応レストランとホテルもある。冬期間はこれらの施設に関わる人たちのみが暮らしているような小さな集落である。私もここで給油出来るので、このような旅が出来るわけだ。
コールドフットで必ず燃料を満タンにする。ここから先、給油出来るのは400km先のデッドホースまでない。
極北の夕日に染まった雲のすき間から、今夜のオーロラの舞台である透き通った空が見えてきた。
コールドフットから1時間も北上すると、ハイウェイの両脇に荒々しい岩山が姿を現してくる。そこが北米大陸有数の巨大山脈の始まりであることを知らされる。
「ブルックス山脈」
大陸最北端にそびえる大きな壁である。
そして、私が好む撮影風景が、ここから100km北までびっしり存在する。
今夜の撮影場所は、いかにもアラスカ北極圏らしい景色の中、静かな氷の上で三脚を立てた。

思いがけず、早い時間からオーロラが活発にあらわれる。
「今夜は当たり日だ!」
期待が高まる。

フェアバンクスではオーロラを遠巻きに眺めていたが、ブルックス山脈に来て、久々に天頂でダイナミックなダンスを見ることに興奮する。
氷が厚く張っているのはわかるが、最初は割れないかと、やはり心配である。
うまくオーロラが氷に映ってくれるといいのだが。

やはり「当たり日」だった。朝が来るまでオーロラはほぼ絶え間なくアクティブな舞いを見せてくれた。
当然ながら、一夜で多くのダンスシーンを撮影でき、新しく動画を作るのが楽しみである。
Rさんも初日から2連勝である。Lucky Manだ。
3日目(2月15日)さらに北上。
凍った川の上に三脚を立てることにする。
オーロラは活発な日が2〜3日続く傾向がある。
もし今夜も豪華なオーロラが現れればどのように撮影をするか、明るいうちに想定し場所を決めておく。

こんな静かなリンクでスケートができれば気持ちいいだろう。
暗くなってから、早々にオーロラが現れてくる。
・・・ここブルックス山脈にいると、北の地平線からやってくるのではなく、いきなり頭の上にアーチがかかることも多い。空を360度監視していないと、油断は出来ない。
氷の川の上に三脚を2本立ててスタンバイする。

早い時間から、かなりアクティブである!
予想通り、昨夜に引き続き当たり日になりそうだ。
何となく、オーロラの不穏な動きも見られる。

ついに、ブレークアップか!

一瞬期待したが、惜しくもフェイントで終わる。


不穏な動きが続く。
というか、見事な縦の筋(線構造)が見える。
次から次とやってくる見事なオーロラを思わず不穏と言ってしまうが、
私の経験では「その時」が来る前兆は、何となく不穏な動きをしているように思う。

もう見事としか言いようがない!
オーロラが南側に振れる。危ない!

「怪しい!」と思った瞬間だった。
一気にブレークアップが始まる。
「始まる!」と感じた瞬間から一気に「クライマックス!!」まで、30秒はないだろう。
空のどこかにたまったエネルギーは一気に放出される。

ブレークアップは魚眼レンズでないと撮影出来ない。大慌てで、2台のカメラの設定を
調整する。
ブレークアップはいいところ30秒間が見せ場となる。始まってからもたもたしていると終わってしまうのだ。

全天でのたうちまわるオーロラの下で、Rさんは3夜連続豪華なオーロラに見舞われる、Super Lucky Manである。
私はしばらく放心状態になった。
<後編に続く>








COMMENT (14)
投稿者:おばさま@北海道・大沼公園 2010.03.08
中垣先生
お帰りなさい。素晴らしいの一語に尽きる光景です。
同行されたRさんもさぞや感激されたことでしょう。
私は毎日U?zoさんのライブ・オーロラ@フェアバンクスを拝見して
昨年のツアーの感動を思い出しています。
また先生の写真展、イベントでの素晴らしいお写真を思い出しています。
今回のこの素晴らしいアドベンチャーツアーの作品をイベントや写真展で拝見できる日を楽しみにしております。
続編がアップされる日が待ち遠しい!
投稿者:kyo~.h 2010.03.08
オ〜すばらしいですね!
ここ迄行くツア〜だと、いつでも行きたいですね〜。
投稿者:札幌 北緯43度 2010.03.08
ご苦労様でした
暖冬とはいえ、忍耐忍耐忍耐忍耐忍耐忍耐&忍耐忍!を感じます。
いつも楽しみにしています。
投稿者:むら 2010.03.08
長旅おつかれさまです。すごい写真いっぱいですね!!!!
樹氷?とかすごいですねー。遭難しそうな期がするぐらいすごいですね。
また、ニュース楽しみにしております。
がんばってくださいませー。
投稿者:YOUさん 2010.03.08
おかえりなさい、無事帰られて、安心しています。ブログを見て、すごいの一言で言い表せない程 感動しました。次回のスライドを観るのが楽しみです。(4月6日は法事が有り、行く事が出来ないと思いますが、次の機会に観させて貰います。)
投稿者:らいおん 2010.03.08
素晴らしい!感無量!
オーロラを見たことがないのですが、
手に取るように、状況や情景が広がるのでした。
涙が出そうになりました!
投稿者:Mai 2010.03.08
すご?い!
写真だけでもウヮ?って思いながら見ましたけれど、
実際自分の頭上で繰り広げられているこのオーロラダンスを見たら
何度も経験している中垣さんでさえ放心状態になるのもわかりますね。
素晴らしい写真をありがとうございました。
投稿者:mishi 2010.03.08
素晴らしいオーロラですね.やっぱり一度は北極圏まで行ってみたいと思いました.
それにしても,あの寒さとの戦いの中で見事な写真を撮る根性に感心します.そう,装備も大事だけど根性がないとだめですね.
投稿者:cafe[en] 2010.03.08
すばらしいオーロラの写真、ありがとうございます。
実際に見るよりきっと、すばらしい!!まるでその場にいたようなイメージが沸いてきます。
また、スライドショー、函館でみたいです。
投稿者:しずちゃん 2010.03.09
スゴイ!の一言です?
3日連続でこんな光景に遭遇できるなんてホントにうらやましいです(^ ^)
投稿者:AKO 2010.03.09
おかえりなさい!!
無事でしかも連日の凄いオーロラに遭遇されてその迫力と美しさ充分すぎるほどに伝わってきました。さすが違いますね!ありがとうございました。そして羨ましい?の一言です。「サバイバルツアー」には女性はダメなんでしょうか?全工程でなくても、その半分くらいでもいいです。四駆のキャンピングカーなんてないのかしら?夢はどんどん膨らんでしまう私です・・・。(ご検討ください!)
11日からはカナダ「ホワイトフォース」ですね?気をつけて行っらして下さい。又、すばらしいオーロラに出会いますように・・・・。
小澤 あつ子
投稿者:denka 2010.03.09
今回の極圏の取材、すばらしいオーロラを撮影出来て
良かったですね。感動しました。
オーロラは、運との勝負だと思います。
今回は、運気が最高だったのでしょうね。
スライドショー!楽しみにしています。
投稿者:Mai 2010.03.09
おかえりなさい。
すごいですね?。
何年も通っていてもなかなかみられない
三夜連続の豪華なオーロラショーに遭遇して
・放心状態になるなんて・・
どれ程すばらしいんでしょうか。
早速写真をUP していただいて嬉しいです。
一生に一度は見たいオーロラ、
ますます 見てみたくなりました。
投稿者:なかがき 2010.03.10
みなさま、たくさんコメントをいただいて感激しています。
ところで、後編は見ていただいていますか?
今回の取材した写真を、早く動画にしてみたいです。
ブレークアップはなかなか迫力ですし、その他にも,繊細な動きのオーロラを再現することが出来そうです。
サバイバルツアーは老若男女の制限はありませんが、野生の精神を取り戻すチャンスかも!?です。
偶然&ラッキーですが、昨年からサバイバルツアーは3名連続で豪華なオーロラをしっかり体験されています。
昨年のサバイバルの1名分の記録
http://www.aurora-dance.com/blog/2009/post.html
明日からカナダ・ホワイトホースにツアーで行って来ます。
そのあと、北海道から2名と合流して、ユーコンを舞台に、ショートなプチサバイバルツアーを行います。
もしかすると久々に元気な太陽風の恩恵に与れるかも?と、ちょっとだけ期待しています。
cafe[en]さん、今年も函館でやりたいですね。そして大沼公園の「ハル小屋」でも。
夏(6〜7月)、秋9月の取材も気合いを入れますので、早くても10月以降でしょうか。
予定ではその頃,入魂のDVDが出来ていると思います!